シリーズ:環境インタビュー

協会役員をはじめ会員企業の皆様に、UNEPに対する想いや環境への取り組みなどについてインタビューを行いました。


  • シリーズ 1 日本UNEP協会 鈴木基之代表理事
  • シリーズ 2 株式会社T&Dホールディングス
  • シリーズ 3 日本UNEP協会 平石尹彦理事
  • シリーズ 4 トヨタ自動車株式会社
  • シリーズ 5 カルネコ株式会社
  • シリーズ 6 株式会社マッキャン・ワールドグループホールディングス
  • シリーズ 7 富士フイルム株式会社
  • シリーズ 8 株式会社エッチアールディ
  • シリーズ 9 日東電工株式会社

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    第2弾:
    日本UNEP協会正会員の株式会社T&Dホールディングスに、環境保護活動についてお話をうかがいました。


    株式会社T&Dホールディングス

    保険グループならではの環境保護活動を


      

      土肥勇二 経営企画部部長(中央)、田尻智子 経営企画部経営企画課主任(右)、日本UNEP協会 宮内淳 理事(左)


    株式会社T&Dホールディングス(ティ・アンド・ディ・ホールディングス、T&D Holdings, Inc.)は、3つの生命保険会社を傘下に持つ保険持株会社である。T&Dの「T」は挑戦である「Try」を、「D」は発見である「Discover」をそれぞれ意味しており、グループの「経営理念」として、挑戦と発見による価値の創造を通じて、人と社会に貢献するグループを目指している。


        

    「持続可能な社会へ」 ― 豊かな地球を引き継ぐために
    ― 一見関係性が見えにくく感じてしまう生命保険業と地球環境保護、なぜ地球環境保護の取組みを重視するようになったのでしょうか?

    業種の特徴からして、確かにできることが限られており、製造業の会社などと比べると相対的にインパクトも小さく、エネルギーの使用量を含めても、環境負荷は大きくないほうだと思われます。

    そんな私たちグループが環境への取り組みを重視することを明確にすることにした背景にCSRレポートによる情報開示がありました。持続可能性報告の国際的ガイドラインであるGRI(Global Reporting Initiative)ガイドライン(G4)の要求に、それぞれの会社が重要だと思う課題を考えて、その過程を示した上で、自らが重要だと考える情報を報告する、ということがあります。

    私たちが既に報告しているレポートや開示しているコメントをもとに、また、グループの理念と照らし合わせて私たちは何を大事にしようとしているのかを数え上げていきました。もう一方で、社会の皆さまが、何を大切と考え、私たちに何を期待しているのかを調べ、一つひとつ並べていきました。

    そうすることで、私たちグループと社会がそれぞれ大事と考えている課題が見えてきました。それらを分野ごとにまとめていくことで、「生命保険事業を通して社会に貢献すること」、「ダイバーシティを含む人権の尊重」、そして「地球環境の保護」の、三つの分野が重要と認識することができました。

    こういったプロセスを経て、地球環境の保護を重視する方針を明確にしたわけです。


    ― 実際の具体的な活動としては、どのような活動が行われているのでしょうか?

    まずはグループ目標を設定して取り組む環境負荷の低減活動をご紹介します。当社グループでは、グループ各社が協力し、環境保護に関する目標を設定し、毎日の事業活動の中でその達成に向けた各種施策を推進しています。

    目標として掲げているのは、「電力使用量の削減」、「事務用紙使用量の削減」、「グリーン購入比率の向上」の3つです。

    「電力使用量削減」では、始業前、昼休みの消灯、適切な空調温度の設定、使用していないOA機器の電源オフの徹底、早帰り日の設定、ライトダウンデーの実施などにより節電に取り組んでいます。

    「事務用紙使用量削減」では、文書の電子化やペーパレス会議の推進、印刷前の確認徹底による無駄な印刷の防止などの取組みにより用紙使用量削減をすすめています。

    「グリーン購入比率向上」では、事務用品等のグリーン購入基準を定め、原則、基準を満たす物品を購入するほか、事務用品のオンライン発注では、環境対応商品を優先購入するシステム設定にするなどの取組みを進めています。

    次に森林保全活動です。

    森林資源を守り、また、そこで生きる多様な生命を守ることを目的に、太陽生命は以前から森林保全活動に取り組んできました。今では毎年、延べ約500人のグループの役職員の方が参加する活動となっています。当社グループ役職員だけでなく、地元の小学校と協力して実施している「 どんぐりプロジェクト 」も毎年の恒例活動となっています。3年生児童が森林で集めた“どんぐり”から苗木を育て、3年後の卒業時に「太陽生命くつきの森林(もり)」に植樹します。子どもたちにとって、自然環境保護の大切さを理解する機会となっています。



    ― 森林保全活動に着目した経緯は?

    最近でこそペーパレス化が進んでいますが、生命保険会社は、人と紙でできていると言われる業種でした。紙の使用が多いということで、逆に紙の原料になる木を育てていこうという発想がもともとありましたので、そこからスタートした活動です。このほかにも、CSRレポートの読後アンケートに答えてくれた人数×50円を、里山の活動をしているNPO団体へ寄付しています。紙をたくさん使っているからこそ、森林の保全に関わる団体にも支援をしていこうと考えたわけです。


    今後の環境保護活動の展開
    ― 今後の活動について聞かせてください。

    いろいろな分野の環境保護活動を広げていきたいという考えはもちろんあるのですが、生命保険グループが行う取組みとしては現実的には限界もあり、率直に申し上げてなかなか難しいと感じています。活動内容の拡大ももちろん考えていますが、たとえば森林(もり)の取組みをずっとやってきていますけれど、それを海外の植林まで拡張できるかというと、そう簡単にはいかない。大きく進もうとしても、自力でできる範囲としては限られてしまうのが現状です。

    そのため、自分たちだけの取組みでなく、例えば、日本UNEP協会の設立に協力したり、環境に関する活動や取組みをしている団体を支援する、そういったことも我々の環境保護活動の方法ではないかと思っています。たとえば当社グループを通じて、日本UNEP協会で活動してもらう仲間を増やし、環境に関する関心を高め、環境保護活動をどんどん活発にしてもらう。こういったことを支援するのが我々の環境保護活動の一つの方法でしょうし、そうすることで我々の環境保護活動の幅も広がり、社会全体へ貢献できることにもなるのではないかと考えています。

    国内生命保険グループである私たちにできることとは、一つには広告や各種レポートを通じて社会の関心を高めることが考えられます。もう一つには資産運用を通じて、環境保護に役立つ仕事をしている企業やプロジェクトの後押しをすることではないでしょうか。 ESG投資 を実行するファンドを設立して、環境問題への対応が優れている企業や環境技術を有する企業に投資するなど、環境保護分野も含めてCSRに優れた企業に投資しています。


    T&Dホールディングス✖日本UNEP協会の可能性


    ― 日本UNEP協会とともに、どういったことをやっていきたいですか?

    まずは今、地球環境の保護がどれだけ重要な課題になっているかを知ってもらうことが大事だと思っています。そして、一人ひとりにこんなことをしているのですよと見えるようにして、皆さんがそれに参加できるようお手伝いすること。これが日本UNEP協会を通してUNEP活動を手伝うということの一つの方法だと思いますし、それをT&Dホールディングスとして支援できればと考えています。

    環境保護に興味のある人もいるし、興味のない人もいます。もっと知りたいがどうすればいいかわからないという人もいると思います。そんな中で環境に興味のある人、例えば IPCCリポートコミュニケーター になりたいような方々に対して、提案や協力ができる仕組み作りを、私たちがお手伝いできるといいですね。

    生命保険事業を中心とするグループということで、環境保護の取組みについて考えているのは「子どもや孫の世代も我々と同じように安全に、健康に、豊かに暮らしていってほしい」という願い。そういった社会を引き継いでいくのが、我々の使命なのではないかと考えています。

    生命保険会社というのは、お客さまと30年以上も付き合うような産業なんです。今のお客さまの30年後、そしてその子どもの世代も同じように快適に暮らしていけるようにしなければというように思っています。長く、人が安心していきいきと働ける社会を続けていくためには、豊かな地球環境を引き継いでいくことが必要だと感じています。30年後の地球のために何ができるのだろう、次の世代に豊かな地球環境を引き継ぐために何ができるのだろう。生命保険会社だからこそできることを見つけていきたいと思っています。

    生命保険会社の特徴としてよく言われるのが全国各地にいる営業職員(保険外務員)の存在です。これは環境保護活動の本筋ではないのですが、例えば東日本大震災で、多くの図書館が被災し、家にある本も流されてしまいました。それに対して、被災地の小さい子どもたちに絵本を送りましょうというプロジェクトがあります。私たちも参加して3年になるのですが、全国各地のグループ役職員からたくさんの絵本が送られてくるんです。

    全国のお客さまのそばに多くの職員がいる、というのが生命保険会社の特徴であり強みなのかなと感じます。考えたら、全国にいる職員の数とか、保険に加入していただいているお客さまの数とか、合わせるとすごい潜在力ですよね。活かさないともったいない。そういった特徴をうまく環境保護に結びつけて、生命保険会社独自のものができるのではないか、そのアイディアを日本UNEP協会と協力して行なうプロジェクトにまで発展できないかなどと考えています。

    T&D保険グループ単独ではなく、大手生命保険会社を含む同業他社を巻き込んだ活動ができるととても大きな勢力になりますよね。そういった同業の各社を巻き込んでいくような取組みも私たちの貢献の方法なのかもしれませんね。そういったことができれば、全く新しい、大きな環境保護に関する活動になっていく可能性もありますね。

    私たちの財産は「人」だと思っています。これなら参加してもいいな、参加したいな、という企画ができたら、すごいことになりそうです。いろいろな方々とつながっているからこそ、見えてくるもの、できることがあるかもしれません。今後の活動も、ぜひ楽しみにしていてください。

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