シリーズ:環境インタビュー

協会役員をはじめ会員企業の皆様に、UNEPに対する想いや環境への取り組みなどについてインタビューを行いました。


  • シリーズ 1 日本UNEP協会 鈴木基之代表理事
  • シリーズ 2 株式会社T&Dホールディングス
  • シリーズ 3 日本UNEP協会 平石尹彦理事
  • シリーズ 4 トヨタ自動車株式会社
  • シリーズ 5 カルネコ株式会社
  • シリーズ 6 株式会社マッキャン・ワールドグループホールディングス
  • シリーズ 7 富士フイルム株式会社
  • シリーズ 8 株式会社エッチアールディ
  • シリーズ 9 日東電工株式会社

  • ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

    第5弾:
    日本UNEP協会正会員のカルネコ株式会社に、環境保護活動についてのお話をうかがいました。


    カルネコ株式会社

     日本の森と水と空気を守る


      

      加藤孝一代表取締役(右)と、経営企画室 菅谷健夫シニアディレクター (左)



    プロモーションの可能性を広げるCalNeCoシステムとは


       CalNeCoの理念
           • Calendar・・・・・お客様の健やかな生活に貢献するために
           • Network・・・・・お客様とお客様へのサービスが出会う接点をネットワークし
           • Communication・・お客様との対話を通じて最適なサービスを提供する
       事業内容
            メッセージ開発、デザイン開発、販促企画の立案支援、
            販促ツールデザインの制作支援、販促ツール供給、
            販売促進の支援およびコンサルティング


    CalNeCoのサービスは、カルビーというメーカーが生み出したユーザー立ち上がりのモデルです。不要なディスカウントをせずに、お客様に喜んでいただきながら、小売・卸・メーカー・消費者が適切な利益を得られる「4者が喜ぶプロモーション(メッセージ・プロモーション)」を、できるだけ多くの人たちに活用してもらいたい。その想いが、CalNeCoの原点です。 つまり、それまでの価格訴求型から、価値創造型プロモーションへの転換を推進するために設計・開発されたのがCalNeCoシステムです。

    プロモーションにより「必要な販促ツールを、必要な時に、必要な数だけどこへでもお届けできる」 実需調達のプラットフォームは、消費者の購買動機を喚起すると同時に販促ツールの無駄をなくし、コスト削減をサポートします。そして、CalNeCoの設計思想が進化して構築された森林事業者、企業、消費者を結ぶ最先端の環境貢献プラットフォーム <EVI>(Eco Value Interchange) 、優れたメッセージ・コンテンツを収集・選択可能なデザイン市場<デマンド・クリエーション>、デジタルサイネージのコンテンツ制作から配信までをつかさどる <メッセージパイプライン> など、CalNeCoならではの新しいサービスを創造しています。

    EVIマークは、葉、鳥、魚をモチーフにしています。



    メーカー生まれのメーカー育ちだからこそわかること、アドバイスできることがたくさんあります。効果的なプロモーションについて、ぜひご相談ください。


    森林から見た日本の環境問題

    そもそも 日本UNEP協会に着目した理由の一つは、理事の宮内淳さんの人間的な面白みが飛び抜けていたことです。言ったことが、なぜかどんどんできていく。見かけはすごいが口だけで何もしないという人はたくさんいますが、宮内さんはさらっと実現してしまう。こういう人物がやることに対して、後押ししなければという思いに駆り立てられました。

    それから、温暖化ということで、 IPCC(気候変動に関する政府間パネル) を作った団体が、なぜ日本にないのだろうという大きな疑問があったことが一つ。日本が温暖化抑制に取り組もうとした時、森の存在というのはかなり大きいです。 チャレンジ25 で、産業部門が1995年比で2012年末までに6%のCO2を減らすと言いました。そして、そのうち3.8%を森林吸収が担って、残りの2.2%を産業部門で減らすように、政府から示されました。この時、経済連は猛反発しました。しかし少しずつ理解が進み、今はこういう時代なんだと取り組んだ結果、産業部門は2.2%をクリア。日本は目標を達成したことを宣言しました。

    しかしその前提は、森林がCO2を3.8%ちゃんと吸収してくれたかどうかにかかっています。森林がCO2を吸う状態に留めておくには、メンテナンスが必要です。森は商業林、人工林の面積が結構多く、燃料革命前にガスなどが普及する前、主流は木炭でした。この木炭には広葉樹林が使われており、広葉樹林を持っている人はそれだけで大金持ちでした。

    ところが石油、ガスが入ってきて、あっという間に価値をなくしていくんですね。 山を持っていてもしょうがないと。おりしも第二次世界大戦が終わって、焼け野原になった主要な都市を立て直すために、日本中の木を切り倒して復興を図りました。 日本中の山がはげ山になっていき、木炭としては使われなくなり、価値をなくした山に今度は家を建てるための木を植えるわけです。

    この時、政府が、成長が早いと勧めたのがスギ、ヒノキでした。しかし植林しても、収穫できるまでに50年以上かかる――それが木なんです。それでまだ復興に木が足りないから、関税をゼロにして輸入し、だんだん復興が整っていくわけです。

    それから10年経ちました。昭和30年復興もきいてきた頃、木材需要のうち、日本の木が使われる割合は、まだ復興最中ということもあって94.5%でした。それがだんだん復興が整っていくにつれて、日本の木の割合がどんどん下がっていき、現在27%を切りました。木材需要が100あってですよ。



    なぜ日本人は、国土の7割も森があるのに外国の木を73%以上も輸入するのか――。こんな現状が起こっているのです。 世界は陸地の3割が森であるのに比べ、日本は陸地の7割が森です。本当にCO2をちゃんと吸ってくれるとすると、陸地の7割も森があるということは環境にものすごくいいはずです。 国際的にいうと、日本の面積は非常に小さいですが、国土の7割が森なので、これをしっかり守り続けてCO2を吸収できる存在にすると、環境的にここにいるだけで国際貢献しているようなことになる。日本はそういう国なんです。

    ところが、木材自給率が落ちていくということは、お金に代わる木が少ないということです。 これは復興を整えていくためにゼロにした関税を、元に戻さなければいけなかった。 なぜなら海外では大規模林業だから、効率的に木を切り出して持ってくるので非常に安い。日本はしっかりメンテナンスしながら育てるので、国産材は高いという風評が立つわけです。しっかり使われていた頃と今の木材価格とを比べると、3分の1、4分の1に下落しています。これは、森を守っていく林業が斜陽産業になったということです。使われない森を守っていてもしょうがない。つまり広葉樹林のように価値がどんどん減っていくわけですね。ということは、先ほどのチャレンジ25の話の産業界は目標を達成したけれども、半分以上担うはずだった日本の森林が、CO2をちゃんと吸収したのかどうか。ここが重要です。

    森は、放っておかれています。価値が下がって、手をかけるにもお金がかかる。山を持っていてもなかなかメンテナンスできなくなってきた。 子供に受け継がせても価値が下がる一方なので、お金に代えられるうちにということで、海外の企業が日本の森を買い付けにかかるという現象が起こっています。


    環境貢献の新しいカタチを求めて

    木が欲しい、土地が欲しいで、開発によって雇用が生まれるのであればまだいいのですが、 目的は地下に眠る水です。日本は少子高齢化で人口が減っていく最中でも、世界は爆発的に人口が増えている。人が増えると何が必要か。“空気と水”ですよ! 生きるために不可欠な水が、そういった日本の事情から買われ、地下の水を汲み上げて持って行かれるということになっています。

    かたわらで、日本の今の食料自給率は40%です。自分たちの食べ物を半分も作れない国になっている。これは日本の工業製品の輸出が高まり、相手国の貿易赤字を防ぐために、小麦、大豆、トウモロコシを輸入に頼るようになったわけです。しかしここ数年、小麦、大豆、トウモロコシの輸入単価が上がり、これ以上上がってしまうと非常に厳しいと考えて、自分で育てて作れないかと思った瞬間、この国に水が必要になるということなんです。

    バーチャル・ウォーター で、食料自給率を100%にするにはどのくらい水が要るかという数字と、日本の地下に眠る水の埋蔵量とを比べてみました。すると、日本は決して食料自給率を100にはできないという結果になりました。それなのに森が買われていくということがあっていいのか。そう気づいたのは、 国分グループ さんからの依頼で、クレジットを活用したプロモーションはできないかということがきっかけです。その企画が 「あなたが選ぶ!森が活きる!」 で、 CFPマーク (カーボンフットプリント・マーク)で、商品を一つ作るのにCO2をどれほど出すかを計測して商品につけるという取り組みです。

    そうした取り組みがすべての商品につくことで、商品ひとつひとつのC02の量や、商品を置くお店全体のCO2の量が打ち出せるようになるので、商品レベルではよりCO2の排出量の少ないほうへ、お店もトータルのCO2排出量の少ないほうへというアクションが起こる。そうすると、生活すべてがCO2排出量の少ないものへと流れていくので、生産する側もCO2をどんどん減らすしかなくなるというロジックがあるのだろうと推測したんです。

    ところが計るのが難しい、消費者認知も低いということもあって、2009年度にCFP制度試行事業を経産省から受け、菓子業界連合体でプロジェクトをつくりました。そしてカルビーポテトチップスの塩、コンソメ味のレギュラーサイズに、ようやくCO2排出量306グラムという数字が付けられるようになりました( CFPマーク使用許諾製品 )。

    そうして、森林吸収系 J-VERクレジット に取り組まれていた40数カ所のプロジェクトの中から、消費者から見た時に名前だけで取り組みの内容がわかるようなクレジットを4つ選択し、 購入した商品に付いているCFPマークを切って応募用紙に貼り、4つの取り組みの中から1つを選択して応募してもらい、CFP1枚につき2円を、選択されたプロジェクトのクレジット購入資金に回すというのが「あなたが選ぶ!森が活きる!」キャンペーンです。

    最初は参加者からいろいろ反対意見もあったのですが……売れたんです! 「あなたが選ぶ!森が活きる!」がしっかり意味を伝えてくれて、関東圏の112店舗で試験的に実施したところ、前年同期間対比2.7倍の販売数量を記録しました。アンケートも非常に良い反応で、価格受容性の面でも「普段の買い物を通して環境貢献できるなら、1割高くても買う」というのが全体の約7割の反応で、環境貢献意識の高い方では87.5%にも上りました。

    今までさまざまなプロモーションがあった中で、物はちっとも売れなかった。ところが今回の企画では、2.7倍も売れて応募もあり、価格受容性もあったとすれば、このようなプロモーションが世の中でどんどん行われれば、森も救われると思いますよね。

    ただし、問題がありました。1万枚の応募ハガキを配って、応募があったのが46通。集まったお金が700円もなかった。買ったクレジットは1トン単位の販売のため75,000円、つまり100倍以上ひらくわけです。中小企業も含めて実践できれば世の中変わるな、と手ごたえはあったのですが、100倍コストがかかるのでは誰もできないだろうなと思いました。

    こんなに可能性がある。でもこんなに難しい――。そこで、まずは預託できる仕組みと、1トン単位の販売ではなく小分け販売の機能、この二つをセットする。 それからそれぞれの森の活動を知ってもらい、その上で企業さんに選択していただいて必要な分だけ買ってもらう。こういうプラットフォームをつくろうと着手し、2011年2月に完成し3月からEVI推進協議会として活動を開始しました。


    オフセット・クレジットに着目

    カルビーはポテトチップスなどでお客様の信頼を得て、おかげさまで2,000億円の企業に成長しました。それでも、「森が大変なことになっている」ということで寄付の受け皿になろうとすると、簡単にはいきません。赤十字やユニセフ、赤い羽根募金の方が、絶対的に信頼性が高いのです。これは難しい、かえって本業が怪しまれて本業に傷がつきかねない。そこで、国が担保してくれる手段を使って森に回す方法はないかと探りました。それがクレジット制度だったのです。

    ISOの手段をもって投資して国が保証してくれる仕組みです。国が管理しているのでクレジットの超過販売はできない、認証されたものを60万トン以上売れない。こうして売るとまっとうにお金が入るので、そのお手伝いをします。

    普通、1トン1万のクレジットを売ると5千円かかります。その5千円の比率が高すぎる、その分もクレジットを買ってもらいたいということで、我々はゼロ円にしました。小分け販売できる規模をコンセプトに、社会貢献事業にしました。実際にやってみると、簡単でないのがわかりました。

    カーボン・オフセット って何?」、「クレジット? クレジットカードを連想する」……導入期は、この言葉は使えないなと思いました。日本の森と水と空気を守りますと伝えるために、このマークをつけた商品を作ろう。いきなりクレジットを買うことは敷居が高いと感じたからです。何かが起こると同時に、売れていく仕掛けにしないといけない。こういう企画があったらやってください、買いますという人に、「あなたは環境貢献をどういう風に考えますか」、「森川湖海、環境資源を、国内と国外に分けてどれが大事ですか」と聞くと、僅差で日本が1位。どれかひとつだけというと、ダントツで日本の森。命の源、森がちゃんと整備されて豊かになると魚もおいしくなり、災害の防止にもなる。

    今の消費者はみんな、だから森は大事だと知っている。海外も大事だが、今は日本に生きているので、まずは日本から。「それならあなたに何ができますか」と聞くと、
     森に行ってボランティア…4割
     寄付…3割
     勉強する…6割
     普段のお買い物を通して何かできたらいい…7割

    手軽な順番から1位になって、だんだん敷居が高くお金がかかってくると下がっていく。そんなに高いニーズがあるのに、スーパーに行っても森を守る商品がない。買い物をするとき、何かわからないことが書いてあると買わない。いいことをするということが書いてあると買う。わかりやすい。そういう商品をたくさん作ろうというのが2011年3月以降の我々の仕事です。

    長野の蓼科グリーン&クリーンリゾートでは、連泊の際はシーツ交換なしで、マイ歯ブラシを使う人は、歯ブラシ、歯磨き、クリーニング代が浮く。浮いた分だけ、お一人様一泊10円で長野のクレジットを買う。森を助けるのでグリーン、毎年、参加宿泊所が増えています。ここに来る人は、好きな場所が頑張っているのに頑張らないわけにはいかないと、こころよく参加してくれます。

    こんなふうにして、課題は尽きませんが、今後とも全国にわたって、今の地球環境に対する理解と活動を広げていきたいと考えています。


    環境貢献型商品を取り揃えたEVIショップがオープン。日本全国の産地直送品、EVIオリジナル環境絵本、間伐材を利用した木工品など、本サイトで取り扱われている商品は全てご購入代金の一部が環境貢献に活かされ、お客様が普段のお買い物を通して手軽に環境貢献に参加できるしくみになっています。 http://www.evic.jp/evi/evi_shop/story/online/index.html
    Pageのトップに戻る