シリーズ8:環境インタビュー|一般社団法人地球環境情報フォーラム

シリーズ:環境インタビュー

協会役員をはじめ会員企業の皆様に、UNEPに対する想いや環境への取り組みなどについてインタビューを行いました。

シリーズ1
日本UNEP協会 鈴木基之代表理事
シリーズ2
株式会社T&Dホールディングス
シリーズ3
日本UNEP協会 平石尹彦理事
シリーズ4
トヨタ自動車株式会社
シリーズ8
株式会社エッチアールディ
シリーズ9
日東電工株式会社

第8弾:
日本UNEP協会正会員の株式会社エッチアールディに、環境への取り組みについてお話をうかがいました。

水を通じて産業への貢献を

大池好正 代表取締役社長

株式会社エッチアールディ(Human R&D Co.,Ltd)は、環境保全、公害防止、水処理、省エネルギー、リサイクル、農林水産業に関する機器やシステムの研究開発を行う。青く美しい地球をそのままの姿で次世代へ、というテーマに応える研究および開発を使命としている。

弊社は創業時から、「水」と「空気」と「光」を研究テーマに今日まで参りました。ようやく満25年を迎えます。

研究開発コンセプトは、地球の営み、自然の摂理を用いた装置の開発で、薬品など添加物を一切使用しない、二次公害を起こさない装置の開発でした。「水の殺菌装置」、「水の活性化装置」、「空気の殺菌装置」、「水・空気の浄化装置」等様々な装置を開発して来ましたが、壮大な理想と現実とのギャップは中々厳しいものがありました。

色々な研究、様々な装置を開発しているうち、いつしか「磁気エネルギーで水を活性化する装置」の開発に全精力を傾ける様になり、今迄の経験や知識、技術を活かした世界に通用する「磁気処理水装置」に全力を注ぎました。完成した磁気処理装置は、今迄開発した装置に比べあまりにも異端児でした。メンテナンス・ランニングコストが一切かからず、装置の寿命が数十年もあり、初期コストである装置の価格も比較的安価で販売出来る製品という夢の様な商品でした。

以来約20年、全国各地に販売網が広がり、お陰様でご家庭から大手企業、公共機関の施設、農水産物加工所など様々な場所に設置していただいております。

― 最近、新しい動きはありますか。

弊社が所在する工業団地内で同じく板金業を長年営んでいる企業が、経営の多角化で昨年から養豚を始めることになり、養豚には水が何より重要な条件との理由から、横浜市経済局から弊社とのジョイントを力強く推薦していただきました。水を専門に研究している弊社が積み重ねてきた技術が、食べておいしい安全な豚の成育には欠かせないとのありがたいお声掛けを受けまして、豚の成育プロジェクトに参画しているところです。

来春には結果が判明する計画で、今からとても期待しております。どうやら豚の食欲増進に有効な水であることが判ってきており、関係者からの強力な働きかけも手伝って、横浜市内のレストランでの大試食会や地元紙の取材、全国放映の番組取材など、プレスリリースの準備や発表の企画が着々と準備されております。

そのほか東京農業大学とは、弊社の装置を用いた稲作での効果検証について、委託研究を進めております。開発当初の20年前には、効果があるか否かの数値化が非常に困難な時代もありましたが、今日ではこうした産官学との積極的な取り組みにより、ある程度の部分までは数値化が可能であるということも判ってきました。

秋田の大潟村の水田での稲作実験を5年間ほど行いましたが、いずれも食味指数はトップクラスの好成績でした。多くの養豚業者や養鶏業者にも設置していただきましたが、この分野の評価も好評で、肉や卵の成果物は各協会で最優秀賞を数多く受賞しています。しかし、誰もが判る違いの数値化には今一歩届かずという状況でした。

また以前は大量生産大量消費時代でした。即効性のある装置や薬品などの添加物を用いて、即効性のある処理技術が主流でしたが、現在は遅効性の装置であってもランニングコストやメンテナンスが一切かからない、また二次公害を出さない装置が脚光を浴びる時代が到来しました。面白い時代になってきたと思います。

その証の様な出来事が起きました。関西の主要都市の学校給食センターの100か所を超える施設に、弊社開発製品が組み込まれた食器洗浄機が設置されました。お子様の使用する食器が安全で安心出来る洗浄方法で処理出来、さらに近隣に二次公害を起こさない事が、導入していただいた証だにつながったと思います。

― 社名の「エッチアールディ」はどんな意味があるのでしょうか。

弊社エッチアールディの前身は、実は船を造る会社でした。主に40~60フィートのレジャーボートを作っておりましたので、日本国内では中々難しく、販売先はアメリカが中心でした。そんな時、ウォルト・ディズニー・カンパニーから大手ゼネコンを通じて、アメリカで大人気のアトラクションを日本にも導入してお客様に喜んでいただこうと計画され、弊社にそのサポートを依頼されました。

弊社技術者が船の製造過程で生まれた、創意工夫されたアイディアが認められ採用されることになり、その後技術者がディズニーランドの研究所に詰めて製作のサポートをさせていただくことになりました。 その時感じたディズニーの創業者精神はとても素晴らしく、研究開発コンセプトも実にシンプルで明快で、ヒューマンリサーチ&ディベロップメント、すなわち「HRD」でした。「人間にとって、地球にとって良い研究開発をしなさい。間違えてもダイナマイトや原子爆弾など、人や地球環境を破壊する為の研究開発はしてはならない」。弊社は小規模の会社でしたが、研究開発精神だけはグローバルで、社会に役立とう、人間や環境にいい商品開発をしようと思っておりましたので、社名をHRDと命名しました。

― 環境にいい水の研究について教えてください。

弊社開発の磁気処理装置の多くは、水道水や井戸水が対象でした。販売開始から長年に渡ってお使いいただいた結果、家庭の水道水でも多くの効果が得られることがわかりました。各種の事業所の配管内のスケール除去や製品作製工程にも貢献していることがわかってきました。

安全を確認する名目で始めた水生生物の飼育、現在は殆ど私の趣味になってしまいましたが(笑)、磁気処理水装置通過水で水生生物は元気に水槽を泳いでいます。7年前から、蛍の幼虫を育て飛翔させようと試みました。ボウフラ程度の大きさの幼虫からは中々難しいですが、最終飛翔する段階の幼虫を磁気処理水設置家庭の屋外の池とその周辺で行ってきました。毎年飛翔に成功しております。

その他、絶滅危惧種Ⅱの横浜メダカも保存会に入会し、20匹程度分けていただきました。今では段々増えて100匹程になり、毎日元気に泳いでおります。淡水フグ・うなぎ幼魚・よしのぼり・ヌマエビ・蛍の餌であるカワニナ等々種類も増えてしまいましたが、皆元気に泳いでいます。

大学など公的研究機関と共同研究する等、更にエビデンスも充実させていきたいと思います。

オフィスに設置された磁気処理水装置通過水の水槽

― これからやっていきたいことは、どんなことでしょうか。

次世代型の装置――未来もずっと世の中に貢献できる磁気処理水装置の開発です。弊社が積み上げてきた研究開発の集大成として、今迄の特許製品より更にさらにパワフルな磁気処理水装置の開発に成功しました。最近、その装置の特許出願申請を済ませたばかりです。とても楽しみで、ワクワクします。

今後は、特殊な雑菌水や汚水を対象に、磁力を更に強力にし、装置の内部構造を工夫し、殺菌浄化が瞬時に出来る装置も開発して、新しい分野にも挑戦していきたいと思います。

― 日本UNEP協会と、今後はどのようなことをしていきたいですか。

そもそもの始まりは地球友の会がUNEPの普及活動をされている頃からで、これまでずっとお付き合いさせていただきました。大企業のような大掛かりなことはできませんが、我々が目指す地球規模の環境改善、維持活動へのサポートと、弊社ならではの「水関連」の事業などに少しでもサポートさせていただければと思っております。精一杯頑張らせていただきますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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